東京電力福島第一原発事故で生じている汚染水の海洋放出について、読者の皆さんからたくさんのご意見をいただいています。順次紹介していきます。※トップ画像は7月17日に行われた、海洋放出に反対する「海の日アクション2023」の模様
【Osamu Rationaleさんのご意見】
Osamu Rationaleさんからは、市民と政府・東電による意見交換会の記事についてご感想をいただきました。
汚染水の放出に反対。陸上で保管すべき。
福島の皆様がいかにきちんと状況を把握し、真摯に向き合って来られているかがよくわかり、説得力もある。それに比べて国・東電の姿勢は余りにひどい。民主主義とはまず当事者同士の話し合いが第一、常に方針ありきで彼らの決定を押し付けることしか考えていない。その方針は利権、利害で繋がった者達が裏でこそこそと決めて建前だけの手続きで正当化している。法と民主主義の精神に最も反する輩ども。やはり、選挙で今の体制を変えて行くしかない。これからも是非とも頑張って訴え続けて下さい。
【ウネリウネラから一言】
市民と政府・東電との議論を紹介した記事には以下のものがあります。
【汚染水海洋放出】東電の市民への対応
【原発事故汚染水の海洋放出】市民と経産省・東電の意見交換会(前半)
【原発事故汚染水の海洋放出】市民と経産省・東電の意見交換会(後半)
【原発事故汚染水の海洋放出】話し合いは十分か? ~市民と経産省・東電の意見交換会@郡山~
細部を読むことによって、両者の熱意や姿勢が見えてくると思っています。これからもウォッチを続けます。Osamu Rationaleさん、ありがとうございました!
【りゅうこさんのご意見】
汚染水の海洋放出は世界の問題 仮に百歩譲って、1日だけの汚染水放出であれば、その影響が無視できる程度のものであったとしても、何十年間も続く中で、どれだけの量の放射性物質が海洋放出されることになるのか、生体濃縮が起こってどのような事態が起こるのか、福島は勿論のこと、周辺海域のどこまで拡散されるのか、全く報道されない。中国や韓国の反対は当然。それを政治問題化しようとしているなどと報道するメディアへの不信感が強い。それ以上に反対の声をあげづらい国々のことをどれだけ考えているのか。 汚染水の海洋放出が福島の漁業者にとって大きな問題であることは当然だが、それが「風評被害」という言葉で語られることに疑問を感じる。問題を矮小化し、漁業問題さえ解決すれば良いとすることで、日本全体、そして全地球的な問題である海洋汚染から目をそらす役割をはたしているのではないだろうか。
【ウネリウネラから一言】
海洋放出が30~40年も続く中で、海に捨てられる放射性物質の総量がどのくらいになるのかが分かっていません。
実行委メンバー:放出しようとする処理水の総量と放射性物質の総量を明らかにしてほしいと思います。 東電・木元氏:今の段階では、7割の水が2次処理、これから浄化する水が含まれておりますので、今の段階ではどのくらいとお示しすることがなかなか難しいです。浄化をした上で、積み上げながら、見通しを含めて立てさせていただくということになろうかと思います。7月8日付ウネリウネラ【原発事故汚染水の海洋放出】市民と経産省・東電の意見交換会(後半)
したがって生物や環境への影響にも予測しがたい部分がある。そう考えたほうがいいと筆者は思います。
漁業者の営業損害だけが問題ではない、というご指摘もその通りだと思います。もっと幅広く考えなければいけませんし、何よりも「海洋放出しか選択肢はないのか」というところから、再検討が必要ではないでしょうか。
りゅうこさん、ありがとうございました!
【安東武さんのご意見】
「小池都知事に対し福島原発の汚染水を受け入れるよう要求してほしいです」 福島原発の電気は首都圏に供給されてきたので東北三県の人々が事故の負担を押し付けられるいわれはありません。中には、汚染水の海洋放出がされれば柏崎原発の再稼働が進められると言っている識者もいます。東北三県にとって柏崎原発の再稼働は生活に何の関係もないにもかかわらずこうした意見が出てくることに憤慨しています。海洋放出による風評被害で地元産の食材が忌避されるということはすなわち県外からやってくる観光客もいなくなるということです。 東電や経産省、原子力規制庁ら東京の人間が汚染水は安全だと言っているので福島原発の汚染水は東京湾に流すのが筋だと思います。30万トンのタンカー4往復で済みますし、むしろ人口密集地である東京湾に流した方が世界に向けて安全性をアピールできます。 加えて東京都は東電の大株主でこれまで法人税・株主配当の形で東電グループ全体から数兆円もの収入を得ており、無関係を決め込んでいる方がおかしいです。 何より、東京都は先の東京五輪で「復興五輪」を騙り東北の被災者を弄んだ罪があります。東京で五輪を開催することがどうして東北の復興につながるのか分かりませんし、実際五輪によって東北にどれほどの経済効果があったのでしょうか。東京五輪こそ巨額の国家予算をせしめるための日本最大の復興詐欺です。 そもそも福島原発がアンダーコントロールされているなら汚染水が発生するはずがありません。むしろ、五輪を開催するために事態を矮小化しようとアンダーコントロールされているとごまかし続け対策を東電に丸投げした結果、被災地に汚染水が押し付けられようとしています。はっきり言って東京五輪こそ汚染水問題を深刻化させた元凶だと言っても過言ではありません。 逆に東京都が「復興五輪はうそではない」と言い張るなら福島原発の汚染水を積極的に東京湾に受け入れられるはずです(もちろん東京湾へのタンカー輸送費用は東京都持ちで)。 つきましては皆様におかれましては、宮城県、岩手県、福島県の観光協会・自治体・地方議員の方々と連携して東京都の小池都知事に対し汚染水を受け入れるよう要求願います。併せてYOUTUBEやヤフーニュースなどのSNSでも積極的に発信してほしいです。
【ウネリウネラから一言】
安東さんのご指摘は、福島や東北に負担を押しつけるなということだと思います。「東京五輪こそ汚染水問題を深刻化させた元凶だ」というご指摘も印象的でした。確かに五輪招致などやっているあいだに福島第一原発のタンクの数はどんどん増えていったわけですよね。
政府は、海洋放出の代替案を否定する理由の一つとして「時間がない」と言っています。
ウネリ:専門家の方が「コンクリートで固める方が海に流すよりもさらにリスクが減るんじゃないか」と言ってたんですけども。
経産省・木野氏:簡単に言うと、コンクリートで固めて埋めてしまうとかって、今までやった経験がないんですね。やった経験がないというのはどういうことかというと、それをやるためにまず、安全の基準を作らないといけない。安全の基準を作るために、実験をしたりしなきゃいけないんですよ。安全基準を作るのは原子力規制委員会という原子力の規制をやっている委員会ですけども、そこが安全基準を作るための材料を提供したりして、要は数年とか十年単位で基準を作るためにかかってしまうんですね。ということで、やったことがない3つ(※地層注入、地下埋設、水素放出)の方法って、基準を作るためだけにまずものすごい時間がかかってしまう。要は、数年で解決しなければいけない問題に対応するための時間がとても足りない。
5月9日付「ウネリウネラ」:【汚染水海洋放出】経産省幹部とのやりとり
しかし、タンクが満杯になるまでにはまだ少し時間があると報じられています。
処理水タンクの満杯時期は「24年2~6月」に 東電が想定を見直し 海洋放出開始目標は据え置き(東京新聞)
また、もし本当に「時間が足りない」としたら、それは汚染水問題をこれまで放置してきた政府の大変な落ち度です。政府は責任を取らなければなりません。
安東武さん、ありがとうございました!
みなさんの意見を募集します
海洋放出問題について、皆さまのご意見を募集します。長いものも短いものも、支持する意見も反対する意見もすべて歓迎です。お待ちしております。
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