弁護士馬奈木厳太郎氏の性加害について

性暴力について考える

ウネリウネラ読者の皆様、映画「After Me Too」上映会に来てくださった皆様へ    牧内麻衣

 弁護士の馬奈木厳太郎氏から継続的な性加害を受けたとして、舞台俳優の女性の方が3月3日に記者会見を行う予定です。

 あまりに酷い性暴力事件に衝撃を受け、動揺しています。一方で私は、昨年主催した性暴力に関する映画「After Me Too」の上映会に加害者の馬奈木氏をゲストとして招いており、それが不適切だったと表明する責任が自分にもあります。

 上映会で私は馬奈木氏を「演劇・映像界のハラスメント防止に尽力している弁護士」として紹介し、どうしたら性暴力やハラスメントのない社会をつくれるかといったことを中心に、アフタートークを進行しました。今回の事件を知り、馬奈木氏をその場に招いたこと自体が間違いであったと深く後悔するとともに、憤りと虚しさをおぼえています。

 私は主催者としてSNSや当サイトを通じ、馬奈木氏のゲスト登壇の告知やアフタートークの内容などを積極的に公開してきました。その間、被害者の方がそれらの情報を目にしていた可能性があると考えると、本当にいたたまれなく、申し訳ない思いです。自分に酷い性加害をした人物が、多くの人たちの前で、講師としてハラスメントや性暴力の防止について語っていると知ったら、どう感じるか――。想像するだけでも絶望感や無力感に苛まれます。

それにもかかわらず、私自身が、今回被害者の方の痛みを増幅させるようなことに加担してしまいました。被害者の方にいま心から申し上げたいと思います。

 苦しい思いをさせてしまい、本当に申し訳ありませんでした。

 上映会にかかわってくださったすべての皆様、観客の皆様にも大きな失望感を与えてしまうこととなりましたことを、お詫び申し上げます。

2023年3月2日
ウネリウネラ 牧内麻衣

サイト「ウネリウネラ」の掲載記事の扱いについて

 サイト「ウネリウネラ」では、「After Me Too」上映会や原発問題の関連でこれまでに合計9回、馬奈木氏のコメントなどを紹介しました。該当記事をサイトから消去することは簡単ですが、そうすれば馬奈木氏を取材、ゲスト起用してきたというウネリウネラの過ちを覆い隠すことにつながると思います。一連の記事は一旦非公開としますが、今後記事の該当部分に【お詫び】の注釈を入れる形で対応します。
 
 これらの対応についてはあくまで現時点での判断です。何よりも被害者の方のお気持ちに沿って、対応していきたいと考えております。

馬奈木氏をトークゲストに呼んだ経緯について

 ウネリ(牧内昇平)は原発問題の取材を通じて馬奈木氏と旧知の関係でした。同氏が演劇界などでハラスメント防止講習の講師を多く務めていたことから、上映会のトークゲストの一人としての登壇を打診しました。ウネラと馬奈木氏は上映会当日が初対面でした。

事件の概要について

 きょうこの記事を公開したのは、昨日3月1日、加害者である馬奈木氏のほうがインターネット上で謝罪文を公開し、記者会見より先に事案が周知の事実となったためです。しかし被害者の方は明日3日に記者会見を開くと聞いております。被害者側が会見を準備しているにもかかわらず、加害者が先に声明を発表するのは、被害者の方の積極的な同意がない限り、明らかに不誠実だと考えています。

 このため事件の詳細については、馬奈木氏の発表に依拠するのではなく、明日の被害者の方の会見内容に基づいて報じたいと思います。

コメント

  1. ちさん より:

    氏の性加害のことを知らなかったのだから、仕方がなかったのではないでしょうか。むしろ明らかになった事実から学ぶことがある気がします。

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