この企画は、今年9月福島県内にオープンした「東日本大震災・原子力災害伝承館」(伝承館)という施設の「あるべき姿」を考えていくものです。企画の狙いについては、前の記事「企画のはじめに」をお読みください。

 議論の材料として、館内の各フロアに掲示されている「文章」をアップしていきます。さすがに展示物そのものの画像はアップできませんが、「文章」を読むだけでも、伝承館の「伝え方」の一端は分かると思います。

 この段階ではあえて私たちのコメントは付記しません。読者の皆さまからコメントを集めて、みんなで考えていきたいのです。ぜひ、これらの文章を読んで感じたこと、指摘したいことなどを書き送ってほしいと思います。実際には伝承館に行ったことがない人も、議論に参加してもらえたら嬉しいです。

 投稿フォームは、記事の下に設置しておきます。

 展示は、①【災害の始まり】②【原子力発電所事故直後の対応】③【県民の想い】④【長期化する原子力災害の影響】⑤【復興への挑戦】という五部構成になっています。

 前回④【長期化する原子力災害の影響】エリアを紹介しました。

 今回は最後の展示エリア、⑤【復興への挑戦】部分です。


↓ここからが、伝承館内に掲示されている「文章」の紹介です。

⑤【復興への挑戦】

未曾有の災害により、多くのものが失われましたが、たくさんの方の応援を受け、復興は着実に進んでいます。避難によりふるさとを離れざるを得なかった人、ふるさとにもう一度戻り、新しいまちづくりを進める人、新しいものづくりを通して、地域の産業を立て直そうとする人など、個人や団体、行政など、さまざまな立場で福島をもう一度元気にしようとする人々がいます。ここでは、こうした活動をリアルタイムで発信し、次の活動のエネルギーを生み出していきます。

<5-1 復興の歩み>

現在、福島県においては、住まい、買い物、医療、教育、交通機関等、住民の帰還に向けた生活環境整備が進められています。

このコーナーでは、災害(復興)公営住宅の整備、商業施設、医療施設の開所、小・中学校の再開、JR常磐線の全線開通など、地域の復興に向けたさまざまな取り組みを紹介します。

●防災・減災の取り組み

防潮堤

津波による浸水被害を受けた地域で、海岸堤防のかさ上げ、防災緑地、道路、土地利用など複数の手法を組み合わせた「多重防護」と、避難路の確保や情報伝達手段の拡充などにより、総合的に防災力の高いまちづくりに取り組んでいます。

避難計画

今後万が一新たな原子力災害が発生した場合などに備え、住民避難等の応急対策を迅速に行うため、福島県は2014年に「福島県原子力災害広域避難計画」を策定しました。この計画では、関係市町村ごとに避難先市町村や基本的な避難ルートを定めるなど、広域避難の基本的な枠組みを示しています。

<5-2 廃炉の今>

現在、福島第一原子力発電所では、建物から燃料を取り出し、建物を解体していく「廃炉」の作業が進められています。役割を終えた通常の原発の廃炉の作業とは異なり、福島第一原発では、燃料が溶け落ちたり、建物が水素爆発を起こしたりしているため、その分廃炉の作業には多くの課題があります。このため、新しい技術の開発等を行いながら作業を進めていく必要があり、作業の完了には30年~40年かかると見込まれています。

 

●福島イノベーション・コースト構想

福島イノベーション・コースト構想 主要プロジェクト

福島イノベーション・コースト構想は、東日本大震災および原子力災害によって失われた浜通り地域等の産業を回復するため、この地域一帯に新たな産業基盤の構築を目指す国家プロジェクトです。

・廃炉 国内外の英知を結集した技術開発

浜通り地域等の復興に必要不可欠な廃炉を進めるため、国内外の英知を結集し、研究開発と人材育成を進めるとともに、取り組みの効果を産業面にも波及させ、浜通り地域等に産業の集積を図ります。

・ロボット・ドローン 最先端のロボット開発・実証の地

福島ロボットテストフィールドを始め、「浜通りロボット実証区域」では、災害対応や物流・インフラ点検等の分野で活用が期待されるロボットやドローンの研究開発・実証試験を積極的に呼び込んでいます。

・エネルギー・環境・リサイクル 先端的な再生可能エネルギー・リサイクル技術の確立へ

再生可能エネルギーを核とした産業の育成・集積を図り、地域経済の復興・再生に取り組んでいます。太陽光パネルや石灰石等の先端的なリサイクル技術開発の取り組み等を推進しています。

・農林水産業 ICTやロボット技術等を活用した農林水産業の再生

ICTやロボット技術等の開発・実証を進めるとともに、これらの先端技術を取り入れた先進的な農林水産業を全国に先駆けて実施し、浜通り地域等の農林水産業の復興・再生を進めています。

・医療関連 技術開発支援を通じ企業の販路を開拓

高齢化や医療・介護人材の不足が進む浜通り地域等において、医療関連産業の集積を図るとともに、企業等の新規参入を促進しています。

・航空宇宙 ”空飛ぶクルマ“の実証や関連企業を誘致

航空宇宙産業の育成・集積に向けて、参入する企業の支援や産業を担う人材育成に取り組んでいます。

●主要プロジェクトの具体化を進めるとともに実現へ向けた基盤整備に取り組んでいます

廃炉、ロボット・ドローン、エネルギー・環境・リサイクル、農林水産業、医療関連、航空宇宙の各分野の具体化を進めるとともに、その実現へ向けた産業集積や人材育成、交流人口の拡大、情報発信、生活環境の整備など多岐にわたる基盤整備に取り組んでいます。

福島イノベーション・コースト構想の実現に向けて

3つの取り組みの柱

1あらゆるチャレンジが可能な地域

2地域の企業が主役

3構想を支える人材育成

産業集積|企業誘致と地域内外企業の事業化を支援

浜通り地域等における新たな産業集積の実現と既存産業の復興再生に向けて、産業団地の整備や企業立地の促進を図るとともに、進出企業等と地元企業の交流、ビジネスマッチングを促進しています。

教育・人材育成|浜通り地域等の未来を担う若い力を育てる

大学等における教育研究活動の活性化に向けた取り組みを進めるとともに、小中学校、高等学校における企業や高等教育機関等と連携したキャリア教育を実施し、浜通り地域等の復興の核となる高い志を持った若い力を育成していきます。

交流人口の拡大|地域と連携して新たな魅力を創造

避難により人口が減少した浜通り地域等の交流人口の拡大や地域と連携した新たな魅力創造などに取り組んでいます。

情報発信|構想の認知度アップで参画を促進

構想の認知度を向上させ、参画を促進するためのさまざまな情報発信を行っています。

生活環境の整備|安心な暮らしに必要な環境を整備

東北中央自動車道、常磐自動車道を始めとする公共インフラ等の充実強化を図り、生活環境の整備を着実に進めています。

※ドローン、ロボスーツの紹介

・測量・調査用ドローン

高精度オートパイロット制御機能を実現

最新のフライトコントローラーPixhawk2と、5GHz帯を使用したハイビジョン映像伝達機能等を搭載しています。標準飛行時間は20分程度で、飛行ログの抜出・解析が可能です。また別の6枚羽機体も含めて、用途・要望に応じカスタム設定も対応しています。

・マッスルスーツエブリィ

着る、筋肉

人生を軽やかに。働く現場での腰への負担軽減から、日常のちょっとした力仕事のサポートまで。軽くて、シンプル、そしてパワフル。マッスルスーツエブリィは、老若男女、すべての人の健やかなライフスタイルを実現するために生まれたアシストスーツです。

●みらいのまち

二本松市に避難した浪江町の子どもたちが、二本松市の子どもたちと一緒にどんなまちに住みたいかをテーマに、早稲田大学が実施したワークショップの中で模型を作りました。展示は浪江町の模型ですが二本松市のものも作られました。

●県民によるチャレンジ

※略。物産などの紹介。

●ふくしまの未来に向けて

東日本大震災および原子力発電所事故により、福島県はさまざまな困難に遭ってきました。

苦しみをバネに新しい一歩を踏み出した人も、いまだ葛藤する人も、それぞれの形で復興への歩みを進めています。そして、ふるさとの未来に特別な想いを寄せています。

ここに紹介するモザイクアートは、福島を想う人々の、未来へのメッセージを後世に継承し、世界に発信していくために、県内各所で撮影された写真を集めてつくられたものです。

↑ ⑤【復興への挑戦】エリアにおける展示文章は以上です。


以下のフォームよりご意見をお寄せください。必要事項を明記し、紺色の「送信」ボタンで投稿完了です。

※フォームでの送信がうまくいかない場合や長い論考などはuneriunera@gmail.comへお願いします。コメント欄などもお気軽にご活用ください。

 これで館内の概ねすべての展示文章の掲載が完了しました。

 各エリアの展示文章はこちらの一覧にまとめています。→「伝承館は何を伝承するのか」

 多くの方からご意見をいただき、議論を深めたいと思います。ひと言コメントも歓迎です。投稿、お待ちしています。

ご意見、ご感想はこちらから↓

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