ね「どう~もっ! ごぶさたしてま~っす。」
ウ「いや…あの…その…、新しい本のことで、ちょっと…」
ね「りょーかいしました。じゃ、打ち合わせしましょ。どう~もっ。」
ということで新しい本づくりが始まりました。2020年もいろいろあったネなどと茶でも飲んでいたらいつの間にか師が走る月になってしまいまして急いでギアチェンジ。“あの人”に電話したのです。
数日後……
ウエスト印刷(仮名)で私たちを待ち受けていたのは、カクさん、ルドルフさん、そしてねむ田さんの御三方。三役そろい踏み。「いきなり千秋楽かい!」と心の中でツッコミを入れつつ、打ち合わせはサクサク進んだのでした。サクサク進んだのはこちらの手際ではなく通信速度が速いからでもなく御三方が持ち前の才覚を遺憾なく発揮してくれたからです。
順次ご紹介。まずはルドルフさん。
「あの~、なんか~、日曜の昼下がりに食べるアイスクリームみたいにソフトでマイルドで手に取りやすくて、それでまたベッドサイドに最適で」みたいな曖昧な本のイメージを伝えると、やさしい笑顔で「そうですよね~」と話を合わせてくれて。
これには癒されましたね。一発で。来てよかったと思いました。湯上り気分。
そこで表紙は、となったらカクさんが熟練の目利きぶりを発揮。こちらが持参したサンプル本をためつすがめつ、「これはピーピーだな」「こっちはニス」「厚さはこれくらいで、こっちが規格通りの大きさで……」と何でも鑑定団状態。言ってることはサッパリ分かりませんが、鮮やかな仕事ぶりに惚れ惚れとさせられました。
そしてトリを飾るのは…
驚くなかれ。われらがねむ田さんは算術が得意なのでした。
「それではトロイメライ、もといイクラクライに?」とおずおず聞きましたら、「お待ちくださーい!」と一喝。そこからは電卓三昧でした。
タッ、タタッ、タタッ、タッ、タッ、タッ……etc
音楽的に言うとフォルティシモなギャロップ(ウネラ註:「道化師のギャロップ」でしょうか)ですよね。これは。全然トロイメライではなく。
リコーダーはさぞ苦手だろうという大きな指で素早くテンキーを打ちまくり。もう一方の手で紙屋さんに電話して材料価格を問い合わせ……。
すぐ答えが出ました。
「●十●万円くらいでできますよー」
めちゃ早い計算。途中から目で追えないレベル。凄腕営業マンは、スーパーコンピュータでもあったのでした。
その姿をもう一度拝見したいと思い、「じゃあですよ、仮に表紙をこっちのパターンに変えると……」と意味なく再質問。
すると、
「ま~、だいたい同じくらいっすね。原価が若干若干高くなるんすけど、その分少し薄い紙を使えるんで」と即答。電卓は再登場せず。
そこはアバウトなのかーい!と思いつつ、まあこれが俗に言う啐啄ですなと誤解しつつ、そそくさと会議室を去ろうとしたウネリウネラなのでした。
帰り際、もう一回聞こえてきました。
どう~もっ
というわけで、約1年ぶりに本づくりプロジェクト再開。完成時期はサクラ満開。細かいキャスト一挙公開。
- 製作総指揮:スティーブン・スピルバーグ(+キング牧師÷2風なお爺さん)
- 美術監督:ウネラ
- 原稿とり:のりすけ
乞うご期待!
一応、次回作の告知の文章なんだと思います……。発売中の商品もどうぞよろしくお願いいたします。☟
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