本日午後13:30から、ある大きな裁判の判決が福島地裁で言い渡されます。

「子ども脱被ばく裁判」と言います。

ウネリウネラは遅まきながら最近、この裁判の取材を始めました。これから裁判所に行って判決の様子を見届けたいと思いますが、その前に少しだけ書いていきます。

裁判のポイント

この裁判のポイントを一言で書けば、

「私たちの社会は、福島の子どもたちを放射線被ばくから守れているのか」

それを正面から問いただしている点です。

「東電や国が原発事故を起こした責任」を問う裁判はたくさんありますが、事故後の行政の対応を問題にしている裁判は多くありません。そのうち、「“子ども”を被ばくさせない権利」を前面にかかげて闘う裁判は、恐らくこの裁判のみです。

裁判の原告として闘っているのは、親子たちです。

「3・11当時福島県内に住んでいた」もしくは「いま現在福島県内の小中学校に通っている」子どもとその親です。

裁判の論点

国や福島県、県内の市町村に裁判を通じて求めているものは2つ。

①いま現在、放射線被ばくの心配をしなくていい安全な場所で学校教育を行ってほしい。

②3・11当時、子どもたちを無用に被ばくさせた行政の責任を問いたい。

①については、福島の現状を知る必要があります。

原告団が昨年行った調査によると、福島県内(福島市、いわき市など)の中学校の周辺では、いまだに空気中や地面の土に含まれた放射線量の値が高い状態が続いています。これを放置していていいのでしょうか?

事故後、福島県が18歳以下の子どもたちに行っている甲状腺検査(のどに小さな腫瘍があるかを調べる検査)では、200人以上が甲状腺がんか、少なくとも甲状腺がんの疑いがあると診断されました。その結果、多くの子どもが手術を受けています。

医療の専門家は「検査をたくさんしたから、がんがいっぱい見つかっただけだ。被ばくとの関係は認められない」と言いつつ、「無駄な手術はしていない。すべて必要な手術だ」と言います。そうだとすると、福島以外の子どもも同じ検査をすれば甲状腺がんが見つかるはずです。ではなぜ、全国の子どもたちをがんから救うために、全国的な甲状腺検査をしないのでしょうか?

②については、10年前のことを少し思い出してください。

原発から放射性物質が風に乗って福島の内陸部へ流れてきました。そのことはSPEEDIというシステムを使って把握できていたのに、その情報は県内の市町村やそこに住む人びとまで伝わりませんでした。がんになるのを防ぐための安定ヨウ素剤(小さな錠剤)が子どもたちに配られることもありませんでした。多くの子どもたちが放射性物質を含む雨や雪が降りしきる中、親を手伝うために、もしくは親と一緒に手をつないで、給水やガソリンを求める列に並びました。

行政がもう少しきちんと対応していれば、こうした被ばくを防げたのではないでしょうか? 

福島を訪れた放射線の専門家は「毎時100マイクロシーベルトまでなら安全だ」と言いました。この専門家は後で、「10マイクロと言いたかったのを間違えた」と説明していますが、本当に言い間違えだったのでしょうか?

社会は子どもを守るか

ほかにも論点はたくさんあります。正直言って、ウネリウネラはまだまだ勉強不足で、ここですべてをきちんと解説する力がありません。今後の課題にしたいと思っています。

ただ、最後に一言だけ。

ウネリウネラは、「子どもを守りたい」という原告の方々の思いに強く共感します。

裁判所がどんな判断を下すか、それは、「私たちの社会が子どもを守る気があるのか」ということを示していると思います。

しっかりと、判決を見届けなければなりません。

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