【汚染水海洋放出】みなさんの声③:「海の生物への影響は」「メディア全体の質の低下」

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 汚染水の海洋放出について、読者の皆さんからいただいたご意見・ご感想を紹介します。ぜひご覧ください!※トップ画像は「とある島から撮った宮城の海」(海洋放出とは関係ありません)

【ぽんたさんからのご意見】

 まずは宮城県に住むペンネーム「ぽんた」さんからのご投稿です。

原発汚染水はどこへ!

 経産省のテレビCM(電通が作成)は、政府の方針や見解をPRしているだけです。これでは政府の考えを「知る」ことはできても、その是非について「考える」ことはできません。本当に考えてほしいならば、政府が自ら反対意見も紹介すべきです。

 具体的には、政府(経産省)がテレビCMや新聞広告、各種イベントなどを通じて海洋放出をPRする時、反対意見も一緒に紹介することに賛成です。

 宮城や岩手など三陸沖の一部海域のホタテは貝毒問題で出荷の自主規制が続いています。ホタテ貝毒の原因は、ホタテが毒をもつプランクトンを食べているからとのこと。汚染水の海洋放出も、どのように海洋生物に影響を与えるのか? 海産物を食する国民、そして世界に公表することが大切だと思います。

 福島県民のみならず、日本人の海のみならず、世界の海なのです。 

 宮城県では、汚染水についてのテレビ放送を見ません。福島県民向けの放送だけでは、納得いくはずもないと思います。インターネット社会なので、日本の見解を世界に知らせる責務があると思います。世界の英知を生かし解決しなければならない問題です。私も考えていきたいと思います。

【ウネリウネラから一言】

 ぽんたさんは、汚染水が海洋生物に与える影響を心配しているのだと思います。東電は、汚染水を海洋放出した場合に放射性物質がどのように広がるかの予測を発表しています。(東電プレスリリース:海洋放出に係る放射線影響評価(設計段階)について

 これによると、トリチウムの濃度が若干高くなるのは原発周辺2~3キロの範囲にとどまり、人体への影響は極めて軽微である、ということになります。

 しかし、これはあくまで予測であって、本当にどうなるのかは分かりませんよね。最近はこんなニュースもありました。

原発港湾で高濃度セシウムのクロソイ

 東京電力は5日、福島第1原発の港湾内で5月に捕獲したクロソイから、国の食品衛生法が定める基準値(1キログラム当たり100ベクレル)の180倍となる1万8千ベクレルの放射性セシウムを検出したと発表した。魚が港湾外に出るのを防ぐ網を複数設置するなど対策を取っているとしている。

6月5日福島民報(電子版)

 原発の湾内とはいえ、いまだに基準値の180倍もある魚が捕獲されている状況です。海洋放出についても、「大丈夫です」という東電の説明をどこまで信用していいものだろうか、と疑問です。

 ぽんたさん、ありがとうございました!

【ゴッサム市民さんからのご意見】

 福島県に住むペンネーム「ゴッサム市民」さんは、メディアの責任について書いてくれました。

メディア全体の質の低下

 放射能汚染水の海洋放出については福島県内のメディアが概ね処理水放出について「客観報道」を装って政府、東電発表を垂れ流しているのがとても気になる。
 東電と漁協の説明会で漁協からは未だに「風評被害」が起きたら、のような報道しかないし、さらには高校で「処理水放出(の安全性)」に関する経産省の出前授業があった、といったまるで汚染水放出は安全だ、という一方的な立場で、問題点は風評被害のみ、という記事ばかり。
 市民の反対運動や汚染水放出の問題点、例えば40倍に希釈して放出しても現状の汚染水を全て流し切るにはどれくらいの時間が必要、とか、希釈しても汚染水に含まれる放射性物質の総量は変わらない、とか、トリチウム以外の汚染物質の種類と量は、とかが全く報道されない。
 これで原発事故のあった福島県のメディアの役割は果たしているのか、本当にがっかり。
 すみません、読売新聞のことから離れてしまいました。でも、東電や、政府から大量の広告費を受け取って原発推進に協力していた過去から抜け出せないメディア全体の姿勢は日本の報道の質の低下を招いたと感じます。

【ウネリウネラから一言】

 ゴッサム市民さんは先週末の記事を読んで意見をくださいました。

 「メディア”全体”の質の低下」と書いてくれました。ウネリウネラも読売新聞だけの問題とは全く考えていません。掲載した記事の本文はほとんど読売新聞のことですが、それでもタイトルと前文で「読売新聞」と入れていないのはそういう理由からです(実は、最初は読売の社名を書き入れていましたが、ウネラの指摘で修正しました)。

 前掲の「ぽんた」さんのように県外にお住まいの方は意外かもしれませんが、福島県内に住んでいても、海洋放出について突っ込んだ報道を目にすることはほとんどありません。たとえば、トリチウム以外にも炭素14という放射性物質がALPSでは除去できないこと、ALPS処理後にもセシウム137、ヨウ素129なども微量とはいえ残ってしまうことなどは、県内で報じられることはほとんどありません。本当はしつこいくらいに報じていい内容だと思います。

海洋放出についての経産省資料の一部。海に流す予定の汚染水(政府いわくALPS処理水)の中には、微量かもしれないがセシウム137やストロンチウム90、ヨウ素129、炭素14などの放射性物質が含まれている。

 宣伝になってしまいますが、ゴッサム市民さんが書いてくれた「現状の汚染水を全て流し切るにはどれくらいの時間が必要か」「高校で処理水放出(の安全性)に関する経産省の出前授業があった」点は、筆者(ウネリ)が月刊政経東北の今年1月号と4月号に書いていますので、ぜひ読んでいただきたいです。

 ゴッサム市民さん、ありがとうございました!

皆さまのご意見を募集します

 海洋放出問題について、皆さまのご意見を募集します。長いものも短いものも、海洋放出を支持する意見も反対する意見もすべて歓迎です。お待ちしております。

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