最近書いている原発の記事について春橋哲史さんからご意見をいただきましたので、皆さんとシェアしたいと思います。
※トップ画像は5月24日に行われた原子力規制委員会の会議映像のスクリーンショット。
●情報公開制度について
まずは5月23日に情報公開制度の記事について。市民グループ「電通研」が「国や福島県の情報開示の姿勢がどんどん後退している」と指摘しており、その内容を紹介しました。
この記事について春橋哲史さんからのご意見です。
【春橋哲史さんからのメッセージ①】
大半の市民は、情報を自ら取りにいきません。コインの裏表では
記事の執筆、お疲れ様です。大事な問題提起と思います。
行政の情報は、税金を遣うもの、或いは税金を遣った結果であるのですから、「公開」が前提であるべきです。そもそも「情報公開」ではなく「情報秘匿の禁止」であるべきでしょう。
一方で、記事で取り上げられている行政の姿勢は、市民(有権者)の姿勢の反映であるとも思えます。
原子力規制委員会の会議・資料は「原則公開」で、資料もノーカット動画もネット上にアップされています。ところが、「反・脱原発」に取り組んでいる人達ですら、その公開情報を殆どチェックしていません。
「もんじゅ」で核燃料が取り出せない状態であることが、どれだけ、社会に共有されていたでしょうか?(幸いなことに、2022年夏までに全ての核燃料がプールに移され、ナトリウム冷却から水冷に切り替わりました)東海再処理施設(茨城県東海村)に約300京ベクレルの高放射性廃液が「置きっ放し」であることが、どれだけ、知られているでしょうか?(廃液のガラス固化再開は、早くても2025年3月見込み)
原子力規制委員会のフクイチ・もんじゅ・東海再処理施設に関する会議の傍聴を続けているのは、今では私だけです。ノーカット動画の視聴数もせいぜい3桁に過ぎません。
「いつでも知ることが出来る」一次情報について、1億500万人の有権者がいる国で、この状態なのですから、行政が市民を甘く見る風潮が生じるのは、「自然な流れ」だと思います。
「情報の扱い」に関して批判されるべきは行政だけでしょうか?
「情報を隠そうとする行政」も、「公開されている情報を自らの責任で確認しようとしない有権者」も、本来の在るべき姿から逸脱していますし、批判されるべきでしょう。
行政の側が、より多く批判されるべきとは思いますが。
●1号機圧力容器ぐらぐら問題について
次は、きのう5月24日に公開した「1号機圧力容器ぐらぐら問題」です。同日開かれた原子力規制委員会の内容を紹介しました。
この記事についてご意見をいただきました。
【春橋哲史さんからのメッセージ②】
「こんな状況」と原発利活用は結びつけるべきではありません
会議の視聴と、見解を含めた迅速な記事のアップに敬意を表します。
私は傍聴していましたが、見る人によって、注目するところ・着目するところは異なりますね。そのような違いを含めて拝読しました。
私も、山中委員長が指摘しているように、フクイチ1号原子炉下部の破損については、「出来ることを早く」と思います。6月の技術会合に注目しています。
ところで、記事の最後の段落「こんな状況で・・・」に異議が有ります。
この書き方だと、「こんな状況」でなく、原子炉下部の破損が軽微なものであったのなら、「核発電を利活用しても良い」ことになり、「条件付き再稼働・運転容認論」に繋がりかねません。
フクイチの炉の破損状態と、核発電の利活用を結びつける議論は厳に戒めるべきでしょう。
私は、人と環境への影響・費用負担を含めた社会への影響等、「あらゆる意味で不可逆的な影響を及ぼす災害のリスクを内包している」からこそ、核発電は利用してはならないと考えています。
とは言え、「条件付き原発容認論」の方もおられるかも知れません。若し、そのようなご意見が寄せられるのなら、拝読してみたいです。
【ウネリウネラから一言】
たしかに公開情報の中にも重要な情報がたくさん含まれていますよね。電通研のように情報公開制度を利用するだけでなく、公開情報のチェックもしていかねばと思います。春橋さんのご指摘は「有権者全体」に向かっていますが、やはり一番批判されるべきは、報道にたずさわる人たちだと思います。数多ある情報から取捨選択し、必要なものを伝えるのが仕事なわけですからね。そしてウネリウネラも報道に片足つっこんでいると(勝手に)思いこんでいますので、その批判をまぬがれません。頑張らねば。
あと、私(ウネリ)も、「原子炉下部の破損が軽微なものであったのなら、核発電を利活用しても良い」とは思っておりません。「原発は手がつけられない。だからやめるべきだ」という考えです。核のゴミの問題もあり、たとえ事故が起きなくても原発は危険です。
春橋哲史さん、ご投稿ありがとうございました!
皆さまのご意見を募集します
皆さまのご意見を募集します。長いものも短いものも、なんでも歓迎です。お待ちしております。
コメント