東京シューレにおける性暴力加害事件について、シューレ理事会が7月10日、声明を出しました。
詳細な内容は以下のリンクをご覧ください。
※卑劣な性暴力の事実が含まれており、読み通すのもつらい内容です。ご自身の心身への影響について十分ご検討のうえ、ご覧ください。
声明を読みさまざまなことを思っていますが、今回は、シューレ側がなぜ被害当事者である原告の方と十分なコミュニケーションをとろうとしないのか、という点に絞って書きたいと思います。
原告の方ご本人や周囲の関係者によると、前回の記事で取り上げた奥地氏辞任についての発表も、今回の声明も、シューレは原告の方へ通告することなく、一方的に公表しているというのです。これほど重大な事件への対応として、あまりに不適切だと思います。
「事実に向き合うことなくして、真の反省も謝罪もない」。大谷恭子人権委員長が、原告被害者の切実な要望書(2020年10月30日「送付書」)へ返答した回答書の中で述べた言葉です。
今回の声明にはこう記されています。
※大谷恭子氏とは、東京シューレが再発防止のために設置した「人権委員会」の委員長に就いた弁護士です。
何か特別な格言かのように強調しているようですが、<事実に向き合うこと>など当たり前のことです。
この言葉を借りて言えば
「被害者に向き合うことなくして、真の反省も謝罪もない」
のではないでしょうか。この点があまりに蔑ろにされていると思います。
こんな当たり前のことを放棄し、長い間被害者たちを置き去りにしてきたという意識が、声明からは感じられません。たとえば声明のなかには、このような一節があります。
*(東京シューレ人権委員会および同第三者調査委員会の報告書の)公表に際しては、できる限り原告の了解を得たいと思いますが、再三、事件に対する情報操作や抹消行為などにより、東京シューレに裏切られてきたという思いの強い原告にとって、事件に向き合うことすら厳しい中、膨大な量の報告書に目を通すだけでも時間を要すると思われるため、通告と理解を求めつつ、しかるべき時期に公表したいと思います。
なぜこのような留保をつける必要があるのでしょうか。
被害当事者である原告の方と公表内容を共有するのは、ごく基本的なことだと思います。報告書の内容や公表時期について原告の方の了解を得るというコミュニケーションさえ十分にとれないというならば、それはシューレ側の怠慢と言わざるを得ないと思います。
再三、事件に対する情報操作や抹消行為などにより、東京シューレに裏切られてきたという思いの強い原告にとって、事件に向き合うことすら厳しい中、膨大な量の報告書に目を通すだけでも時間を要すると思われるため、
そうわかっているならばなぜ、原告の方が十分に報告書を読み込み、納得できるまで「待つ」という選択ができないのでしょうか。過酷な被害にあってなお、検証の過程でも、くり返し尊厳を踏みつけられ長い間苦しんできたのは、原告の方のほうです。
心から被害者へ謝罪し、尊厳の回復のために対応する気があるというなら、シューレ側は、原告の方が納得するまで、何年でも、何十年でも待ち続ける覚悟を持たなければならないと思います。
被害にあった人たちが、苦しみのなかで、一瞬一瞬をなんとかつなぎとめるようにして生きている現実に、もっと真摯に向き合って欲しい。
ひとりの人間として切実にそうお願いしたいと思い、書きました。
(ウネラ)
※13日10時45分、細部を一部加筆し、更新しました。内容面での訂正、変更はありません。
コメント
うかつでしたが、2021年8月末になるまで、このことを知りませんでした。8月8日(日)の「不登校全国大会」では、開会のあいさつをされていましたよね。そういうことなら、表には出ないでほしかったです!!