ウネラです。本づくりを始めた経緯とめちゃくちゃな作業工程を真面目に伝えるつもりで始めたこの連載、いつの間にかすっかりウネリの創作(事実に基づく)活動の場に様変わりしておりました。どんどん脚色の度合いが増し、嬉々として原稿を出してくるのをやや苦々しく思ってもいたのですが、意外にも読者のみなさまにご好評いただいてしまい、打ち切ることもできず、ここまできてしまいました。今後もウネリには自由に書いていってほしいと思います。

それはそれとして、すっかり中断してしまっていた「本づくりへの道のり本筋編」も、「創作編」とは分けて、今後ここに記録していこうと思います。

とは言うもののずいぶん間があいてしまったので、最近のことから書きます。

昨日、ファーストブック『らくがき』の「ためし読みページ」というのを作りました。「作る」というとたいそうに聞こえますが、「版元ドットコム」さんが会員版元に向けて提供しているとても便利なシステム(開発は小学館)を使って作っているのであって、さほど手間はかかっていません。

どこを載せるかあれこれ思案した末、第五話「寒風沢点描」の写真をたくさん出すことにしました。

宮城県にある寒風沢(さぶさわ)島に行ったのは、去年の夏のことです。松島湾に浮かぶ人口百人ほどの小さな島で、島には商店が一軒もありません。ウネラ父が勤めていた学校で島と交流があったことがご縁で、ウネリウネラ一家とウネラ父で、2泊3日の島旅へ出かけたのでした。

『らくがき』ためし読み

島での体験は本文でお楽しみいただくとして、ここではこぼれ話を。

ウネリはプライベートではあまり写真を撮りません。日常生活でも、旅先でも、子どもの行事なども、写真は基本的にウネラが撮っています。別に役割を決めてそうしているわけではないのですが、放っておくとウネリは全然撮らないし、「撮って」と頼んで撮ってもらっても、ド下手というわけではありませんがあまりうまくないので、自然とウネラが撮影担当となっているまでです。ウネラが特別うまいということでもまたないのが、つらいところなのですが。

そんなウネリが何を思ったか、寒風沢にはでかいカメラを持ってきたので、驚きました。

「持ってきただけで、きっとあまり撮らないだろう」

と思っていたのですが、島内では終始カメラを構え続けていました。

一泊目の夜、どんな写真が撮れているのか宿で見てみると、これがイマイチなんです。どう言ったらいいのかわからないのですが…うまくない。

「スマホで撮ったほうがいいんじゃない」

というウネラの冷たい言葉に薄ら笑いを浮かべ、その後もウネリは猟奇的にシャッターを切り続けました。島の自然はもちろん、放置されているドラム缶やそこにしたたる雨水、民宿の部屋へ続く階段、置かれているたぬきの置物……目に入ってくるものすべてを手あたり次第に撮りまくっていました。

一体どういう心境で撮ってるんだろう…

一抹の不安をおぼえながら時々撮影したものを見せてもらうと、やっぱりうまくないのです。

翌朝早く、私たちは船に乗って出かけました。私が船酔いを必死でこらえているとはつゆ知らず、ウネリは船上でもシャッターを切り続けます。海にカメラもろとも落っこちてしまわないかと、ひやひやするほどでした。

夢のような2泊3日の冒険から帰り、膨大な量の写真をパソコンに取り込んでみました。そこには夥しい数のうまくない写真が並んでいました。

ところが、船の上で撮った写真だけはなぜかうまくいっているではありませんか。まあまあ、うまく撮れている。大変不思議なことに、それ以降良い写真になっていくのかと思いきや、船を降りたあとの写真はまたとたんにうまくないのです。船が、海が、ウネリの何かを変えたのでしょうか。

「寒風沢点描」に収めた写真は、そんな奇跡的な写真なのです。

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