【お知らせ】福島復興再生基本方針のパブコメ募集期間が短すぎる件

報道

みなさん、「福島復興再生基本方針」というものをご存じでしょうか。

政府、復興庁が作っています。2012年に最初のバージョンができ、17年に改定がありました。今まさに2度目の改定を行っている段階です。復興庁が「方針案」をつくり、パブリックコメントを募集しています。

ウネリウネラは恥ずかしながら、この「方針案」を先ほど初めて読んでみました。読んでみたところ、「うーむ」と思わされる内容でした。

なぜ「うーむ」となったかは後で説明するとして、まずは「お知らせ」します。

先ほど「復興庁がパブコメを募集している」と書きましたが、その締め切り日が「3月11日午前0時」なのです。つまり、もう24時間もありません!

この「福島復興再生基本方針」について、関心がある方は、お急ぎください。

「福島復興再生基本方針」のパブコメ募集締め切りは、”3月11日午前0時”です

取り急ぎ「お知らせ」は以上です。でも、少し待ってください。

復興庁が「方針案」を公開し、パブコメの募集を始めたのは3月1日です。募集締め切りまで10日間しかありません。

行政手続法には、

「意見公募手続の意見提出期間は三十日以上でなければならない」

とあります。

たしかに、経験上多くの事案で、パブコメの募集期間は1か月くらいあったと記憶しています。

ためしに「e-govパブリックコメント」という政府のウェブサイトで、現在パブコメを募集している案件を調べてみました。こんな案件が一番上にありました。

「ジャガイモシロシストセンチュウの緊急防除に関する省令の一部改正案についての意見・情報の募集について」

「ジャガイモシロシストセンチュウとはなんだ?」と興味をひかれつつも、改正案自体は読まず、その意見募集期間だけ調べると、「3月10日から16日まで」とありました。1週間だけです。でも、「意見提出期間が30日未満の理由」という文書が添えてあり、そこにはこう書いてありました。

ジャガイモシロシストセンチュウ(以下「本線虫」という。)が新たに発見さ れた区域については可能な限り早急に防除区域に追加する必要があること

納得してしまいました。

しかし、「福島復興再生基本方針」のパブコメ募集ページには、つっけんどんに

公示日:3月1日
受付締切日時:3月10日午前0時

とあるだけです。なにも理由が書いてありません。短すぎではないでしょうか。

復興庁の担当者に聞いてみました

復興庁の担当者によると、

「福島復興再生基本方針は、国が福島県に対して示す基準・方針であり、国民の権利・義務に変更を加えるものではありません。このため、行政手続法にある『30日以上の意見公募』の対象にはなりません。しかし、福島の復興・再生にかかわる大事な方針なので、広く国民の皆様の意見をつのりたいと思い、パブコメの募集をしました」

とのことです。でも、本当に意見聴取が大事だと思っているならば、しっかりと「30日以上」の期間をとるべきだと思います。日々の暮らしで忙しい人がパブコメ募集を知り、実際に意見を書き送るまでには、それなりの期間が必要だと思います。ウネリウネラがそう聞くと、担当者は、

「ご意見ごもっともです。ですが、この福島復興再生基本方針をもとに、福島県が『復興再生計画』を作ります。方針づくりが遅れれば、それだけ福島県による再生計画づくりにも遅れが生じてしまいます。この日程で進めざるを得ませんでした」

という説明でした。であれば、もう少し早くから「方針案」をまとめ、じっくり市民から意見を募集すればいいと思いますが、その点については、

「政府・与党の税制改正や予算案の議論が年明けに一段落するのを待ち、『方針案』を完成させなければなりませんでした。そのため、急な日程になってしまいました」

とのことでした。

復興庁だけの問題とも思いませんが、いずれにしろ、ウネリウネラには、市民の声を軽視したやり方のように思えてしまいました。

とはいえ、まだ意見を出すことは可能です。私たちウネリウネラも自分たちの意見を送りたいと思います。たとえひと言でも、意見を寄せるという営みは大切だと思うからです。

関心を持たれた方は、「福島復興再生基本方針」(案)を読み、コメントを送ってみて下さい。

※この原稿をアップした後、「福島復興再生基本方針」のパブコメ募集ページの受付締切日時の表示が、3月11日午後23時59分に変更されました。

コメント

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